小説

know

初の野崎まど作品です。野崎まどというと僕のamazonオススメ商品に”独創短編 野崎まど劇場”なるものが表示されて以降、自分で自分のことを独創とか言っちゃうあたりから西尾◯新のような面倒くさいタイプの作家なのかもしれないと敬遠していたのですが、特に…

夏の終わりとリセット彼女

夏の終わり、付き合っていた彼女は記憶を失ってしまい…!?というお話で、今期視聴中の一週間フレンズ。とたまに被って不自由しながら読みました。 本を読んでる途中なのに別の本を読める人ってすごいな、自分なんて頭の中に物語の大道具小道具を準備してか…

天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1

なんだかんだで天冥の標も第8部になってしまい、確かこれって全9部作じゃなかったですっけ。もうすぐ終わりかぁ、かなしいなぁ。 第8部は第1部の別視点からのお話であり、劇的なストーリーの進行はなかったですね。わけわかんねーよのまんまで終わった第1部…

バナナ剥きには最適の日々

円城塔の作品は読んでいると1ページに1つは泣きたくなるほどクールな言葉が出てくるのが良いのだと、誰か忘れたけど言っていて、まさしくその通りだなぁと思い、今作を読んでいても自分がこの人の作品を読むのはそれが一番大きいと感じました。 しかしクール…

艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆

陽炎主人公の方のノベルで精神的な吐き気を催しながら手にとった本作。でも、大丈夫だった!これは大丈夫! 軍艦だった私は、ある日目覚めると美少女になっていた!?という展開から始まります。太平洋戦争のことをあの戦争と呼び、しかもそれが連呼されるの…

艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!

艦隊これくしょんっていうクソゲーがありまして、クソゲーなのに10ヶ月経った今もやめられないんです。クソゲーなのに!やめらんねぇ!雷ちゃんかわいすぎでしょ! そんな艦これの栄えある第一号ノベルが本作、「艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します…

見晴らしのいい密室

なんかミステリっぽいタイトルだし、オンライン通販の商品紹介もミステリっぽいこと言ってますが、ミステリを期待してると大爆死するので注意すべき一作。ミステリはロジックだしこの人の作風もロジカル(&グロテスク)なので問題ないっちゃあ問題ない気もす…

第六ポンプ

SF界の新星(らしい)、パオロ・バチガルピ氏の短篇集となります。氏の作品は、話題になったねじまき少女は読んでおりますが、この短篇集も世界観を同じとする作品がいくつか収録されていました。というかあれですね、たぶんねじまき少女で世界観をある程度…

紫色のクオリア

これも読み終わってからこれを書くまで日が開いてしまって非常に後悔しているやつ。SFで百合なライトノベル。時間移動・並行世界モノの秀作と読んで間違いない出来。でもそれだけじゃない、ヒロインの持つクオリアの特性も面白いアイデアで素晴らしかった。 …

猫の地球儀 焔の章/幽の章

秋山瑞人さんについてはイリヤの空、UFOの夏というなんかわからないけどオタク文化界隈にものすごい影響を与えた作品の作者という認識しかなくて、イリヤの空の読んだこと無いしなんでこの本を手にとったかというと夏への扉を読んだ時に猫とSFってなんかいい…

ぐいぐいジョーはもういない

人生の中で、女の子が高速スライダーをおもいっきり投げなくちゃならない日は、限られている。 あの八月の決勝の日は、その、数少ない一日であったのだ、と、私たちは後に思った。 女子高校野球が公式種目になっている世界で、ダスティン女学院の大エース・…

天冥の標6 宿怨

文庫書き下ろしの本シリーズですが、3冊に分冊されていたPart1〜3をようやく読み終えたのでなにか一言二言。ようやく読み終えたと言いましたが、読み始めると止まらなくなる”読ませる力”みたいなのはあるので、読み始めるとすぐでした。そもそもが天冥の標シ…

雨の日のアイリス

「雨の日のアイリス」です。何年か前の電撃小説大賞で最終選考まで残って、それからしばらくの時を経て刊行された作品らしいです。 僕はこの作品、好きです。僕という人間はちょろい上に悪食なので、真正面ストレートな作品なら大体好きになってしまう奴なの…

OUT OF CONTROL

今最も熱い作家、冲方丁氏の作品集。僕の中ではSF&バイオレンスなイメージのある作家でしたが、氏の多才ぶりに驚かされました。 かなり印象に残る作品だったので短編それぞれについて軽く感想をば。 『スタンド・アウト』。冲方丁氏の生い立ちに関しては知…

故郷から10000光年

SF界の巨匠の短篇集。なのですが、どうにも僕にとって相性がよろしくなかったようです。短篇集なので幾作かは面白いと思ったもの(故郷から10000光年、われらなりに、テラよ、奉るはきみだけ)もあったのですが、根っからの日本語文章で育った僕にとっては読…

しにがみのバラッド。

言わずもがなのライトノベルの名作。奥付を確認すると初版が2003年ということで、7年ほど前の…あれ、今が2013年だから…えっ、2003年は10年前?本当に?…というわけなので、10年前の作品になります。メディアミックスも色々やっていたので知名度は高いものの…

僕の妹は漢字が読める

一年ほど前にノベルジャパン大賞の銀賞を獲得し、ウェブ上で序文が公開されるとそのイカレ…もとい、先鋭っぷりに話題沸騰(一部界隈で)した怪作、僕の妹は漢字が読めるです。近未来、文化の主流は二次元と萌えになり総理大臣ですら二次元美少女、漢字は古文…

いま集合的無意識を、

この作品が出版されたのは確かちょうど東日本大震災から1年が経った頃で、そのタイミングでこの短篇集が世に出るというのはそれなりの意図があったからだとわかります。それ以前からもよくあるテーマだったのですが、震災以降のSFの視点は素人目に見てもより…

オナホ男

小説と呼んでもいいのかわからないけれど、一応小説カテゴリに分けておこうと思います。オナホ男とは、ねとぽよ第二号に掲載された作品です。現在、無料で読むことができます。 http://www.netpoyo.jp/event/20120504_2 オナホ男についての話の前に、発信す…

スワロウテイル序章/人工処女受胎

いつの間にやらスワロウテイルシリーズもこれで3作目、なにげに息の長い作品になりました。作者あとがきにもありますが、万人に受け入れられる作品ではなくその万分の一の人々にとって心に残るような作品づくり(プロフィールを見る限り籘真千歳氏の趣味全開…

あなたのための物語

この本を購入したきっかけは、ハヤカワの出版したゼロ年代SF傑作選にて、同じ世界を共有する”地には豊穣”が最も印象に残ったから。地には豊穣では、たとえば脳直結のインターフェースなどSFではおなじみの技術において人類の画一化が起こり各民族の文化が排…

きよしこ

吃音に焦点をあてた重松清さんの私小説風な連作短編作品。 あ、でも、いつもの重松清さん作品のように滔々と語られるそのお話に明確な起承転結があるわけではないので、連作短編ではないか…。 内容としては、ひとりの少年”きよし”が、時に吃音に悩みながら、…