天冥の標6 宿怨

文庫書き下ろしの本シリーズですが、3冊に分冊されていたPart1〜3をようやく読み終えたのでなにか一言二言。ようやく読み終えたと言いましたが、読み始めると止まらなくなる”読ませる力”みたいなのはあるので、読み始めるとすぐでした。

そもそもが天冥の標シリーズはどうも架空の宇宙史のハイライトをところどころ切り抜いて物語にしていると思っているので、それぞれの物語の読後感はどうにももやもやしたものです。そういえば1のメニーメニーシープから一度たりとも良きにしろ悪きにしろすっきりする読後感のものはありませんでしたね…。確かに各物語に山場もあるにはあるのですが、どうにも諸行無常が漂ってしまっていけません。
今回もいつも通りのもやもや読後感ですが、この際それはそういうものだと割り切ってしまうのがよろしいでしょう。それに、読後のもやもやはともかく作品それとしてはとても面白いので気にはしていません。たとえるなら、「また焦らされて悔しい…でも続き読んじゃう…!」みたいな。

まぁまぁ、それにしても本作中ではいろんなやらかしが起きてしまいましたが、山場の艦隊戦は非常に面白かったですね。やはり男の子にとって艦隊戦は浪漫、永遠の憧れなのです。