ピンポン

今期のアニメで唯一録画した翌朝にがっつくように観てた作品。つまり、一番夢中になってた。
漫画は読んだことなくて、映画は観た記憶はあるしあらすじもほんのりわかってたんだけどほとんど覚えてないからたぶん観てないのかもしれない。そういうわけなので、まともな感性が育まれてから初めて観ることになったのですね。自分の観てる深夜アニメのほとんどが女の子が出てくるやつとかSFちっくなやつばかりなのでその分新鮮でひきこまれたのかもしれない。


ストーリーが面白いのはもうわかってることなのでおいておくとして、作画のタッチが原作に忠実で独特なのにもかかわらずうるさくなくてスッと観れる気がしました。喉越しが良い。ド派手にガガガーン!!!という作画もいいのですが、やっぱりそういうのばかりだと胸焼けするわけで、そこにこう、スーッと染みわたる心地よさだったのですよ。ただ、最終話付近のLINE風演出は勘弁してくれ〜ってなりましたが。まぁ道具を現代に持ってきたらそうなってしまうのかな。
そして、人物がそれぞれいい味を出していたのも良かったですね。主人公のふたりが魅力的なのは当然としても、個人的にはドラゴンも主人公格の掘り下げがあったなぁと感じました。誰のために何のために事を為すのかなんて生きてればどこにでもついて回る問題で、その檻を体現していて。そのドラゴンが救われるのを見るとね、自分みたいに誰のために何をしているんだと悲しみにくれてるやつも元気づけられるわけですよ。別に王者の重圧とかそんなんじゃなくて。現実じゃたいていヒーローなんて現れずに苦悶して折り合いつけて納得せざるをえないことを、それでも僕は救ってくれる人を待ってるしいつかすげぇ奴が来てくれるんんじゃないのかって。何言ってんだこいつ。
チャイナに共感して涙がちょちょぎれる場面も多々ありまして。現在進行形で挫折まっただ中の私にはね、頑張ろうと思わせるというより、なんていうんですかね、うまく言葉にできないや。底にいると思っても隣には同じようにもがく誰かがいるかもしれないし、みんなから見放されたと思ってても誰かに見守られてたり、そういう地獄にだって花は咲くというか、そんな感じ。地獄ってひどい言い草だな……。
結局、俺達は人間で、誰にだって挫折したり救われたり変わったり変わらなかったり怒ったり悲しんだり辛くなったりするんだよってことで。物語の登場人物だって、人間はみんな人間なんだと。


あと、熱いところで流れるテクノっぽいBGMがめっちゃかっこよかった。


このピンポンのBD/DVDの販売方法が全話+サウンドトラック収録のBOX販売のみになっていて、とてもいいことだと思います。amazon価格で25000円なので……えー……あれ、あんまりお得じゃなくないですか?一瞬だけ円盤マラソンなんてアホらしい行為から解放されるしどんどんこの形式でいきましょうと言いたかったんですけど……。