艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!

艦隊これくしょんっていうクソゲーがありまして、クソゲーなのに10ヶ月経った今もやめられないんです。クソゲーなのに!やめらんねぇ!雷ちゃんかわいすぎでしょ!


そんな艦これの栄えある第一号ノベルが本作、「艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!」です。
艦これは大ヒットを記録してしまって、それぞれのファンが求めるものもたくさんなのは承知の上でいわせていただきますが、どうも本作は僕の思っていたのと違う!でした。雷撃の仕方とかそういうはっきりと定められてない設定が多少ふわっとしているのはまったく問題ないんですよ。でも、艦これの肝と言って良いキャラクターが生かされていない、というか、うーん……一言で言ってしまうと不愉快な味付けがされているのが非常に納得いきません。
内容はといえば、最初はバラバラだったチームが紆余曲折を経て団結を得るというド直球な青春小説なんですが、いかんせんキャラクターのトゲがたちすぎていけません。作者さんがそういう風な作風なんでしょうが、あまりにも険がありすぎです。
例に上げると、まずは高雄・愛宕の両名。あまりにも無責任すぎます。司令官を透明な存在にするギャルゲ手法なのはいいのですが、仮にも秘書官という立場であり目上の人間が、そんなのでいいのですかね。ちょっとイラッとします。
次に曙。元々が愛嬌のあるキャラクターでもありませんが、誰かれ構わず撒き散らす言葉の暴力(&リアル暴力)。それが強調されすぎ、行き過ぎです。不愉快です。
……これ以上口を開くと文句しか出てこないのでやめておこう。


迷わず言えますが、艦娘たちの和気藹々としたやり取りや海戦の緊張感などを求める人はこの作品は避けましょう。これは艦これを素材に使った青春小説であり、不愉快な側面がピックアップされた彼女たちでも一向に構わないという人は読んでもいいのではないでしょうか。それは絶対嫌だという方は瑞鶴が主人公の「艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆」を読んだほうが幸せになれます。