夏の終わりとリセット彼女

夏の終わり、付き合っていた彼女は記憶を失ってしまい…!?というお話で、今期視聴中の一週間フレンズ。とたまに被って不自由しながら読みました。
本を読んでる途中なのに別の本を読める人ってすごいな、自分なんて頭の中に物語の大道具小道具を準備してから臨まないとまったく没入できないもんなぁ。


主人公くんは空気を読んでばかりで他人と深い関係を築こうとしないタイプの人間で、ありがちといえばありがちだけど最初から完全な性格の人間を見たければ英雄譚でも読んでおけというのを学習した僕はそれに目くじらを立てたりしないのです。やれやれしながらハーレムするようなクソ野郎と比べるのも申し訳ないくらい文句をいう必要がありません。
対するヒロインは空気が読めず正義感にしたがって行動しちゃう主人公とはおおよそ対極のような人間で、紆余曲折ありつつもお互いの欠けているところをお互いで補いあって結果的に丸く収まる直球系青春小説になておりました。
生徒同士の交際を助長するような教師の存在が昨今のラブコメからの悪影響を感じさせるし、なにより地の文の一人称語りで突っ込んだりするところに読んでられないつらさがありましたが、概ねうまくまとめてあったと思います。

天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1

なんだかんだで天冥の標も第8部になってしまい、確かこれって全9部作じゃなかったですっけ。もうすぐ終わりかぁ、かなしいなぁ。


第8部は第1部の別視点からのお話であり、劇的なストーリーの進行はなかったですね。わけわかんねーよのまんまで終わった第1部の補足・解説みたいな部分もあるので、あとで読み返してみようかな。
いよいよ大詰めになった物語がどこに行き着くのか、Part2に乞うご期待といったところでしょうか。

ましろ色シンフォニー 第1話〜最終話

原作未プレイなのにアニメを観てしまいました。けっこう邪道な気がしなくもないけどしょうがないよね。エロゲー高いからね。
個人的にエロゲー原作のアニメにはいい思い出がまったくなくて、というかエロゲーの定型ともいえるエキセントリックな方向に振りきれたキャラ設定もなかなか辛くなってきてここ数年はエロゲーにとんとご無沙汰してしまってたくらいで、それで大丈夫か不安だったんです。案の定といいますか、第1話アバンの妹の遭難とか野良メイドなどで結構つらいものがあるなぁと思っていたのですが、それはそれなのだと割りきってしまうとすっかりと没入してしまいぶっ通しで観終わってしまいました。覚悟と適応って大事だと思いました。


話はおそらくみう先輩ルートではあると思うのですが、実質のヒロインが紗凪であると誰しもが考えてしまうくらい紗凪が愛しくて胸キュンで、本気で心臓発作起こすところでした。第9話の最後の自分自身の恋心に気づかないまま傷ついて勝手に涙が出てきてしまうところとか、第10話の最後の完全なる失恋を負って雨の中泣き崩れてるところとか、もう本当に胸が苦しくなってこっちまで涙が出てきてしまいました。
自分の初恋って思い返してみても釈然としないし、なんとなく恋心らしきものを抱いた気がしただけで本当は恋なんてまだしたことがないのかもしれないし、自身の経験が貧弱極まりないので比較したり重ねあわせて語ることができないのですが、きっと初恋が始まりそして破れてしまうその様には多くの人を揺さぶる眩しい輝きがあるのでしょう。巷は失恋ソングばっかりなどと偉ぶったり、単純な好いた好かれた振った振られたを喜ぶ女子高生を笑ったり、紗凪でこんなにも心が乱れる私にはそんな資格まったくありませんがな…。


作中で無事にみう先輩と結ばれた瓜生くんですけれども、その甘々っぷりでニヤニヤできるかというとそんなこともまったくなく、その後も紗凪の心ばかりを見ていた気がします。この気持が同情なのか、それとも綺麗で真っ白な初恋が壊れるのを喜ぶ下卑た心なのかはわかりませんが、どちらにしろいちゃいちゃしてるところは耳から耳に通り過ぎてまったく覚えがないのです。…もし後者だったら相当まずい気がする。


ここまで恋の勝者と敗者がはっきりしてるのは原作ファンや負けキャラを好きな人にとっては堪えるのかもしれませんが、僕はこちらの方が次から次へと女の子を登場させて終わりの見えないハーレムにしてしまう昨今のライトノベルやアニメなんかよりはよっぽど好印象でした。確かに序盤あたりに女の子が次々と登場して取り巻かれてゆく様を見ている時はよっぽど視聴をやめてしまおうかと思ったほどですが、きちんと最後まで観ることができて大正解でしたね。前にもどこかで言ったけれど、どっちつかずで際限なく女の子を侍らせてゆく近年の風潮より、女の子に囲まれはするが最終的にいずれかのヒロインを選んで恋人(そうではない場合もあるけど)としての関係を成立させるエロゲーの方が今の僕には合っているように思います。将軍に斬られる下っ端侍にも家族がいるように、選ばれたヒロインとの甘い関係の裏で涙を流すヒロインがいる、そういうところをいつも考える僕にとっては。
しかしいいアニメでしたね、ましろ色シンフォニー。またクリスマスが近くなったら再視聴しようかしら。はぁ、俺も純白のシンフォニーに触れたいし重なる未来はどんな色に染まるのか知りてぇ…。



ここからましろ色シンフォニーとまったく関係ないけど、自分の気持ちや考えは自分自身の言葉で紡がないといけないのだと改めて思いました。他人のもっともらしい考えをさも自分のもののように思ってしまうのは、やっぱり面白くない。この感想帳を読み返すと、「あ、こいつ論の展開の仕方めちゃくちゃだし日本語もおかしいし変なところに固執してるな、本当に教育を受けた日本人かよ」といつも思ってしまうような酷いものですが、それでもその作品に触れたその時の自分の心を思い起こすことはできるので、これは必要なのだと思うのです。
それと、作品を踏破した後は可及的すみやかに書くこと。見返してみると、時間が経ってから書いたものほど適当でまったく内容がない。少なくともすぐに書いたものと比べると。めんどうくさがりは敵です。

バナナ剥きには最適の日々

円城塔の作品は読んでいると1ページに1つは泣きたくなるほどクールな言葉が出てくるのが良いのだと、誰か忘れたけど言っていて、まさしくその通りだなぁと思い、今作を読んでいても自分がこの人の作品を読むのはそれが一番大きいと感じました。
しかしクールではあっても内容は相変わらずわけわからない部分がほとんどで、でもわけわからないからこそマジでシビれる。のだと思う。というかこんなやりたい放題なことをさせてもらえる円城塔は本当に幸せ者だなぁとか、いやホント普通の作家だったらこんないい意味でふざけたことさせてもらえないんじゃないかなぁ。


相変わらず円城塔の書く文章はめちゃくちゃカッコ良かったですで終わってしまうのもあんまりなのでない頭しぼって主題を考えてみると、人間が人間という檻から脱出できていないことへの挑戦とか。当たり前や常識を疑って迂遠な検証を重ねてもまた同じところに戻ってくることへの諦観とか。たぶんそんな感じ。間違っててもこの人の作品だったらへーきへーきでゆるされるんじゃないかな。
文章がかっこいいのはもちろん魅力のひとつだけど、この人は物語の道具立てもすごくユニークで面白いから、なんだかんだで好きなのです。
結局読み終わった後はいつも「わけわからんかったな!ガハハ!」ってなるんですがね。

未確認で進行形 第1話〜最終話

なんか最初は「またしょうもないハーレムラブコメか、勘弁してくれ…」と思い込んで不見を貫いていたのですが、よくよく読むとそんなことはなさそうだったのでチラッとだけ見たらあとは一気に観てしまいました。
すごく乱暴に例えるなら、乙女ゲーにめっちゃかわいい女の子キャラクターを加えてみたぜ!って感じ。琴浦さんでも思ったけど、もしかして私は乙女ゲーとか少女漫画の方が合っているのかもしれない。


最強の真白ちゃんかわいいが動機の4割くらいしか占めなかったし、2014冬アニメでは一番すきだった。

ランス01

ランス9発売目前という話をしていて、ランス01をやろうか迷ってるところで背中を押されたのでサックリとプレイしました。別に適当にサックリしたわけではなく、ボリューム的な面でサックリできた。


かといって私、昔からランスシリーズのファンでずっとずっと新作を心待ちにしていました人間でもなく、何年か前に面白いと聞いて戦国ランスをプレイし、面白かったもんで半額セールを狙ってランスクエストとマグナムを買ったにわか勢であります。シリーズモノってだけでなかなか敷居が高そうだったし、それも何年なんてものじゃなく十数年前からってのがなおさら及び腰にさせていたのです。だって私、設定厨だもの。シリーズは全部網羅したいし、設定資料集の類もじっくり読みたい人だもの。
でも、もういいんです。確かに、ランスクエストなんかで知らないキャラがたくさん出てきて、私の知らない話題で盛り上がってるのを見るとなんとも切ない気分になるのですが、諦めました。諦めないと前に進めないことだってあります。
そして諦めた私に天佑が訪れたのです。アリスソフトのリメイク路線です。リメイクといってもただの焼き直しではなくほぼ新作となっているのが嬉しいですよね。なんかアリス2010でランス02のリメイクあったらしいけど買ってないから知らない。
じゃあランス01の話します。


まずはシナリオから。
だいたいの流れは知っていたので驚きという意味でまったくないのですが、とりあえずは安定のランスシリーズでした。にわかなのに言うねこの人。むしろランスシリーズでどういうシナリオだったら許されないのかを知りたいくらい割となんでもありな気がする。
個人的に良かったことはといえば、戦国ランス→ランスクエスト→ランス9に至る過程でのシィルへの愛着がどうも希薄だったのですが、この作品である程度の愛着を得ました。キャラクターへの愛着って大事だからね。


ゲームのシステムとかのこと。
いつもながら感心するのはUIの出来が抜群にいいこと。アリスソフトの作品全般に言えることだけど。比べることにどれほどの意味があるのかはわからないけれど、他所の”遊べるエロゲ”を作っているところのUIと比べると雲泥の差と言っても過言ではない。それくらいUIの出来がいい。他のとこもがんばってほしい。おねがい。
そんで、ゲームシステム。これがボードゲーム的でシンプルなのによく出来たつくり。サクサク動くし。唯一の不満は手持ちチップの順番の入れ替えができないこと。これは結構大きい。マニュアル読まないマンだからもしできるならごめんなさい、だけど。時間をかければだれでもクリアできる難易度だし、やり込もうと思えばやり込めるし、サックリとプレイできた所以はこのあたりにあります。とりあえず一周してから攻略サイト見たのですが、シビアなフラグ多すぎじゃないですか……。


スケベ。
価格に大して満足できるボリュームだったのかと聞かれたら、それはノーだと言えましょう。フルプライスと廉価の中間(5000円前後)の価格ならもう少しエロシーンが欲しかったというのが本音です。一応はリメイクということですので、いくらかの縛りがあるのでしょうがそれでも、もう少し欲しかったな……。エロゲはエロのためだけにあるわけじゃまいけれど、やはりエロゲであるからにはエロを期待しているのです。
ボリュームは物足りないけれども、エロシーンの質に関しては問題ありません。やっぱりスケベは女の子が苦しんでないといけないね。女の子はサンドバッグ。女の子は痛がってなんぼ。和姦なんて必要ない、スケベは陵辱じゃなきゃ。
本当は、ランスにしろ大◯◯にしろ、クソ外道の敵たちが繰り広げるえげつないくらいの陵辱の方が好きなんです。ニッチなファンに配慮して挿入されたもの(だと勝手に考えている)だから、あるだけ喜ばないとね。感謝感謝。


総合的には、大満足。値段もそこそこにお手頃、ゲームとしても楽しめて、ボリュームが少ないとはいえスケベも満足できるので、文句はありませんね。
本当はランス6もやっておきたいんだけど、余裕があんまり無いのが残念。ランス9の前だったら、むしろ6をやっておくべきだったのではないかとも思うけれど……。


皆さんのように、私もランス9では彼女の腹ボテ肉便器エンドに期待しています。というかこの流れで腹ボテ肉便器エンドなかったら暴動起きますよ。
ランス9は敗北エンドを持ってこれる強みを十分に発揮して、えげつない陵辱多めの、私にとってメチャシコ作品になることを願って。
ファイアーエムブレム大好きな私だし、ゲームの方も楽しみだよ。

サムライフラメンコ 第1話〜最終話

サムライフラメンコについて語るべき言葉は僕にはもうありません。以下の発言の推移にすべてが集約されています。


第1話を観た時の僕
こもち on Twitter: "サムライフラメンコ、めっちゃ好きだわ。"



雲行きが怪しくなってきた時の僕
こもち on Twitter: "サムライフラメンコが急展開で最初に思ってたのとまったく違う方向に行ってしまってるけどこれ大丈夫なのか…?"



すべて観終わった時の僕
こもち on Twitter: "どうしてもサムライフラメンコを観たいって人は最初の7話と最後の4話だけ観ればいいよ。あとはいらないよ。でも観ないのを推奨するよ。"


言葉もありません。