ゾンビランド

ゾンビ映画とか好きなんです。B級C級問わず。観終わった後にぐったりと後悔してしまうパターンが多いのですが、それでもゾンビモノにある空気とか雰囲気が好きでやめられないのです。たぶんショーン・オブ・ザ・デッドとか観たの忘れて3回くらいレンタルビデオ屋で借りてる。
で、このゾンビランドです。かねてよりゾンビ映画ファンの間で評判がよく、いつか観よう観ようと思って完全に忘れていたわけです。とりあえず正統派ゾンビ映画ではなくお馬鹿系なのは察していたのですが、これゾンビを道具立てにしたロードムービーですね。でも、ただのだからといってゾンビをないがしろにしてるわけではなく、むしろゾンビ映画ファンをニヤリとさせる”わかってる”部分が多くてとても好感が持てる。それの最たるものが主人公の掲げる、たとえば確実にトドメを刺す2度撃ちや酸素運動の重視、車の後部座席の確認などのルールで、ゾンビ映画ファンが「俺だったらこうやって生き残れるぜ!」みたいなのを実践してるところですね。コメディタッチでもふらふらしてるだけではゾンビ世界で生き残るのは厳しいのだ!
そしてロードムービー的側面。主人公は典型的な童貞ギーク野郎で、旅の道中で言ってしまえば恋をするわけですな。あぁ素晴らしきかな恋よ!この腐ったゾンビ野郎しかいない世界で僕はかけがえのないものを見つけたんだ!そんな感じ。まぁ別にゾンビしかいない世界にかぎらず、我々が生きてる世の中ってのは基本的にクソッタレなわけで、ゾンビまみれで腐ってるにせよクソッタレな現し世にせよ人生という名の旅を幸せに彩るのは少しの楽しみをエンジョイすることなのですよね。崇高な目的や意義を見出して人生送るのは素晴らしいことだと思いますが、世の中の大半はそうではないので。


つまるところ、クソッタレな世界で辛いこととかたくさんあるけどなんとか楽しみを見つけて生きていこうぜっていう前向きなメッセージを僕は受け取りました。いい映画でした。