パシフィック・リム

外国人による怪獣映画、パシフィック・リム!モンスター映画ではなく、怪獣映画。その違いが何かって聞かれると貧弱な僕のボキャブラリーでは表現できませんが、漠然と怪獣映画ってのはある種の様式美を踏襲したものを指すのではないかと。モンスター映画はパニックや恐怖を主眼に捉えるけど、怪獣映画は怪獣と人(怪獣と怪獣の場合も)が向かい合って色々交わす、みたいな。なんだそれよくわかんねぇ。
それでも、パシフィック・リムは確かにちゃんとした怪獣映画で、だからこそ色々と厳しい評価がつきまとうのかもしれないと思う。そもそも怪獣映画自体が表向きには子供向けの皮を被りながらニッチな層が喜ぶやつで、しかも怪獣とその戦いが必ず必要になってきて物語的な評価は得づらいし、なんか色々つらいものがある。僕自身はゴジラとか超好きだしこういう映画だとわかった上でパシフィック・リムを楽しみにして観に行ったから納得できたけど、普通の娯楽映画として観に行ったら悲しいことになるのではなかろうか。誰かが言ってた、「パシフィック・リムの酷評を聞きたければ一般人の友達と観に行けばいい」というのは的確な表現だと思った。イェーガーの出撃シーンとか怪獣との肉弾格闘、タンカーブレードとかめちゃくちゃ燃えて最高なのにね…。


そのまま観に行っても楽しめますが、どうやら小説もあるようでそちらを見てから行けばよかったなと若干の後悔がありました。各国の開発機体や各地のシャッタードーム、全世界総力を挙げて強大な敵と戦うという中に各国の特色が現れてるマブラブ的なところに設定厨の血が騒ぎ、こりゃあ予習してから行けばよかったとなったわけです。設定厨は咎を背負いすぎだろ…。
印象的なシーンはあれですね、KAIJUとイェーガーの戦闘でビルの内部で振り子がカツカツ動き始めるところですね。なんというか、深夜まで残業をしていてふと窓の外を見ると外を行進するゴジラと目が合うとか、そういうお約束的なところがわかってる感ありました。あれは絶対に必要。
窮地に陥ったジプシー・デンジャー!レザーバックの渾身の一撃が搭乗スペースに迫る!あわや敗北、その時!吹き飛ぶレザーバックの右腕!そして次々に飛来するスリケン・ミサイル!立て続けにスリケン・ミサイルの直撃をうけ、爆散するレザーバック!爆煙の向こうから現れたのは、密かに近代化改修を遂げたコヨーテ・タンゴKAIだった!……みたいな展開あるかと期待したけどそんなことはまったくなかったぜ!


マニアの間ではかなり高い支持を受けている(ように見える)パシフィック・リム。なんだかなぁ…これといい硫黄島からの手紙といい、これ日本人が作るべきで作るだけの下地があったのに海外に先を越されちゃうのはなんというかなぁ…悔しいし情けないですなぁ…。
映像ソフトが発売されたらまた鑑賞して、色々書きたいな。3Dで観れなかったのが若干の心残り。これアバターの時も同じ後悔してたぞ…。