スマイルプリキュア

一年間続いたスマイルプリキュアがその幕を閉じました。日曜日の元気の素として、また下半身の元気の素として、大変お世話になりました。


さて、プリキュアのターゲトに大きなお友達が片足突っ込んでるのは周知の事実でありますが、それでも前提としてプリキュアは幼い少女達に向けて作られていることを承知しておかねばなりません。幼女にとっての少年ジャンプ、友情・努力・勝利!なのです。それを考えると、今回はデザインこそ大きなお友達にすり寄った形でしたが、より子どもに訴えかけやすいものであったと思います。前作のスイートプリキュアが始まって十数話をプリキュア同士でいがみ合っているのが大変不評だったためか、みんな仲良しの和気あいあいになっていましたね。友情が対立や衝突を経て深まっていくのはそれなりの大人ならわかると思いますが、人生経験の少ない幼女にとっては悲しいことであります。よって、馴れ合いだのなんだの言われてもこの方向性は良かったんじゃないかと僕は思います。
かといってお子様向けの簡単な内容ばかりかというとそんなことはなくて、要所要所の個人にスポットを当てた回ではいい話を連発、中盤の山場や終盤での戦闘シーンはプリキュア恒例とはいえ本当にすごかったです。なんのかんので一年間観続けると愛着がわくもので、終盤の個人回ではうるるときてしまいました。


上でも述べたように、あくまでプリキュアは幼女向けがメインのコンテンツです。変身グッズを売り、幼女がプリキュアになれるような夢を与える。実際、彼女達は無限の可能性を秘めていて、もしかしたらプリキュアにだってなれるかもしれません。
では、我々大きなお友達プリキュアになれないのでしょうか?困ってる人を助けるプリキュアになれないのでしょうか?
答えはNO。我々だってプリキュアになれます。熱血真っ直ぐ純情主人公のみゆきちゃんことキュアハッピーが僕達に教えてくれました。みんな笑顔でウルトラハッピー。誰かにハッピーを与えることができるなら、それだけでプリキュアなのです。何だっていい、どんなつまらないことだって誰かを笑顔にして幸せにして喜ばせることができれば、我々はプリキュアになれるのです。
時にはバッドエナジーを発して誰かを悲しみに叩き落すことがあるかもしれない。悲しみに暮れてだれかが与えてくれるハッピーを疎ましく感じるかもしれない。
でも、忘れないで。我々が誰かに笑顔を与えたいと願う時、きっとその心にはプリキュアがいて、我々はプリキュアになっているのだから。
俺が、俺たちが、プリキュアなんだ。


アニメ的な話になりますが、今回のスマイルプリキュアでは福圓美里さんの演技力に舌を巻いてしまいました。絶叫系の演技には定評のある福圓さんですが、バッドエンドプリキュアのところはホントにすごかったです。ガチンコオーディション(と噂にきく)のプリキュア声優は伊達じゃありませんね。
でもバッドエンドプリキュアの登場が物語最終盤で本当によかった。バッドエンドプリキュアがもっと早く登場していたら薄い本が今よりもと厚くなっていたのは想像に難くないし。


資本主義の濁流に呑まれながら、それでもプリキュアは人々を笑顔にし続ける。ありがとうスマイルプリキュア。これからよろしく、ドキドキプリキュア