魔法少女まどか☆マギカ 〜The different story〜 中

劇場版魔法少女まどか☆マギカに併せて連続刊行されるスピンオフ漫画の中巻。
つくづく願いと因果を巡るお話だなぁ、と。

相変わらずのマミさんの主人公感。というか、もうこの漫画ではマミさんが主人公でも問題ない気がする。
そして我々は忘れがちなのですが、彼女たちは魔法少女としての業を背負っているとはいえまだまだ中学生の少女なわけで。
普通に年食っておっさんおばさんになれば自分や社会の醜い所を見ても、「それはそういうものなんだから仕方ない」と割り切れるだけ心が固くなってる(もしくは擦り切れてる)けれども、彼女たちは多感な10代の少女。
そんな彼女たちに、清廉潔白じゃなくてもいいんだよ、駄目でどうしようもないことはそれとしてやり過ごせばいいんだよ、だけど魔法少女として正しい道を歩んでね、なんて期待…というより強要してる自分が恥ずかしい。
本当に今更ながら、”魔法少女”の魅力とは、魔法で背負う大きな責務とそれに対しての儚く強い少女性という在り方なのだなぁと思いました。
そして、少女がお互いに弱さを吐露してそれを認め合う場面は素晴らしいですね。
今回に関しては何だか怪しい雲行きではありますが…。


それと、もうひとつ。
魔法少女まどか☆マギカでは、まどかの慈愛ですべての魔法少女に救いが与えられましたが、そのまどかの優しさが結果として誰かの呪いになってしまうことがとても多いように思うのです。
「あなたは優しすぎる。忘れないで。その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
はからずともほむらちゃんの言葉のように、このスピンオフでもまどかの優しさが不幸を招いてしまいました。
優しさは余計なお世話だと疎まれることもたくさんあってしょうもねぇけど、暴力や呪いが悲しみだけを生むのに比べたら優しさも捨てたもんじゃねぇなって、そう思えるのがアニメの魔法少女まどか☆マギカでした。
今回のスピンオフコミックスではどういう結末が待っているのでしょうか。
僕もこう、楽しみに考えていたりします。