ヒューゴの不思議な発明

前知識一切なしでの鑑賞。美術がとてもいい仕事をしている。第一次大戦あたりのイギリスの雰囲気をうまく表現していると思う。ただ、それだけにストーリーの進行があまりにもだるくて、伝えたいことが未消化のままになる風だった。せっかくいいキャラクターと美術があるだけに、非常に惜しい。


ストーリーは、ややメタ的な側面があるように感じた。作品が生み出され、たとえ一時はもてはやされたとしても時の流れと共に誰も見向きもしなくなる。名作として長く語り継がれるのはごく一握りで、ほとんどの作品はその時の消費物として忘れ去られる。そんな悲しみを肯定し、それでも作品が誰かの心に残るのは素晴らしいものだと言っているのかなぁという風であった。
さきほど調べたところ、この作品の監督は75歳。発表した時の評価だけでなく、その後自分の作品がどのように語られていくのかも考え始めてるのかなぁ、と思う。